新作3「沖の山」


沖ノ山は三浦半島の南にある海丘で、好漁場です。
ここに初めて行ったのは30年近い昔、まだ写真が本業の頃で、
三崎のベテラン漁師の取材でした。
午前2時に港で落ち合い、すぐに出港。
当時はまだ木造漁船が多く、
漁師の船も大きな舵棒のついた小さな木造船でした。

真っ暗なうちから港を出て、南に向けて走っていると、
徐々に空が白んできました。
すると若い漁師の船がどんどん追い抜いていきます。
この絵はそんなシーンの思い出です。
老漁師は悠然と構え、彼の船はダ、ダ、ダ、っと音だけは軽快に南を目指しました。

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